バリアコート加工【Qコート】
PRODUCT LINE UP
Qコート加工は、東タイ株式会社が長年の経験と実績から開発された、独自のバリアコーティング加工技術です。
主にサラン(ポリ塩化ビニリデン)をさまざまなフィルムにコートすることで、まだ世の中に無い、特別なバリアフィルムを作り出すことができます。
Qコート加工の特徴
一般のフィルムにQコートを施せることはもちろん、特殊な材料に対してバリア機能を保持させることができます。
印刷原反に対してQコート加工ができ、印刷面は一般のフィルムに加工できるため、半調適正やカラー再現性が良いです。
Qコート量やコート回数で、バリア性能を調整することが可能です。
Qコート加工の基本的な工程について
Qコート加工は、一般フィルムに印刷した原反にバリアコートを行い、バリア加工フィルムを製造することができます。
一般原紙や汎用バリア原紙にない、特殊な原紙にポリ塩化ビニリデンをコートし、特別な付加価値を付けることが可能です。
Qコート加工の応用例
応用例1
和菓子や洋菓子など、中身の高級感を演出したり、独特な雰囲気を出したい製品に最適!
マット調原紙のOPP、PET、NYなどは、バリアグレードはラインアップされているが、品種も少なくコスト的にも高価です。
Qコート加工は、汎用マット原紙、また乳白原紙、パール原紙など、特異性のある原紙にポリ塩化ビニリデンによりバリア性を付けることができ、マットな色彩がマッチした、内容物の保存性を重要視した洋菓子、和菓子、魚肉練り製品などにご使用いただけます。
応用例2
内容物を壊さずに簡単に開封して取り出せるようにしたい製品に最適!
直進カット性フィルムや横切れ性フィルム、どこからでも切れるフィルムなど、開封機能に長けたフィルムはいろいろありますが、これらに対してバリア機能がついているフィルムはあまり見かけません。Qコート加工は、これらの特別な開封機能を持ったフィルムに対して、バリア性を付けることができるので、バリア用にもう一層ラミネートする必要がなく、安価に易開封性バリアフィルムを作成できます。
応用例3
既存であるバリアフィルムに、さらなるバリア性向上の付加価値を付けられます。
バリア機能のある通称「バリアNY」は、EVOH系やMXD-NY系などがありますが、高い酸素バリア性とは裏腹に、水蒸気バリア性は高くありません。これらのバリアNYにQコートを行うことで、水蒸気バリア性とさらなる酸素バリア性のアップが見込め、市場にあまり類を見ないバリアNY原紙ができます。
応用例4
環境系包装材料にバリア効果を出す場合に最適!
環境包装材料として、バイオマス原料やリサイクル原料を一部使用したフィルムがありますが、これらにバリア性を付与したものは蒸着系になってしまうケースが多いです。Qコート加工を行うことで、環境包装材料にバリア性を付与して、バイオマスやリサイクルの原料を使用しつつ、内容物の保護性能も向上させることができます。
Qコート採用事例
※写真はイメージ図です
Qコートは、さまざまな食品で採用いただいています。これ以外の食品分野でもご採用いただき、新たな分野に向けての採用事例もどんどん増えています。
食品ロス低減推進法の制定に伴う対応
消費者庁より「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」が、令和元年5月31日に令和元年法律第19号として公布されました。
概略は右図の通りです。
東タイでは、「食品ロス低減」及びSDGsの下記2項目に該当すると思われる環境対応を行っていくために、自社のバリアコート加工である「Qコート」を推奨しております。
「Qコート加工」は、多くの汎用フィルムに対して、サラン(ポリ塩化ビニリデン)をコートすることができ、多くの場合、食品パッケージの水蒸気バリア性、酸素バリア性を向上させ、内容物の賞味期限の延長を促進する加工方法です。
Qコート加工で包装材料のバリア性を向上
食品の劣化を抑制する包装材料に「Qコート」を施すことで、フィルムのバリア性が向上し、内容物の保護機能も向上する可能性があります。
通常材質構成 | OTR | WVTR | Qコート 加工 |
Qコート材質構成 | OTR | WVTR | 備考 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | OPP#20//CPP#20 | 1500 | 5.6 | OPP#20/Qコート/CPP#20 | 6.0 | 3.8 | 汎用包材へのバリア機能追加 | |
2 | バイオマスPET#12//LLDPE#40 | 80.0 | 15.0 | バイオマスPET#12/Qコート/LLDPE#40 | 5.6 | 6.5 | 環境包材へのバリア機能追加 | |
3 | 縦切れNY#15//LLDPE#50 | 15.0 | 14.0 | 縦切れNY#15/Qコート/LLDPE#50 | 4.3 | 6.7 | 開封性包材に対しての バリア機能追加 |
|
4 | バリアNY(EVOH系)#15//LLDPE#30 | 1.8 | 26.0 | バリアNY(EVOH系)#15/Qコート /LLDPE#30 |
1.4 | 8.2 | バリア包材に対してのさらなる バリア機能追加 |
|
5 | 透明蒸着PET#12//LLDPE#50 | 1.2 | 1.2 | 透明蒸着PET#12/Qコート /LLDPE#50 |
1.0 | 1.1 | 透明蒸着面のクラックによる バリア劣化防止 |
OTR(酸素透過度) : ㏄/㎡ 24hr 20℃ 60%RH
WVTR(水蒸気透過度) : g /㎡ 24hr 40℃ 90%RH
パッケージに水蒸気や酸素のバリア性を向上させることで、内容物が傷みにくく、今までよりも長持ちし、賞味期限の延長を実現します。これにより、市場に滞留している期限が伸び、賞味期限切れで廃棄される食品ロスを減少できる可能性があります。
「Qコート加工」が、SDGs目標の【貧困をなくそう】【飢餓をゼロに】に貢献します。
Qコート加工の環境に対するアプローチ
特殊バリアリデュース包材
「フィルム単体でやりたい」「一次包装をリデュースしたいのでバリアが欲しい」「単層で裏刷りでヒートシール適正がほしい」など、リデュースに関するご要望にお応えする包装材料を開発中です。
東タイでは、サランコートを扱って45年におよぶ長い歴史のなかで、フィルムへのサランコートによるヒートシール性やバリア+シール性などを付与した「Q-EC」「Mr-P」という加工も行っていました。これらの技術を再度復活させ、現在ではフィルム/サランコートによる「付加価値の創造」に挑戦しています。
環境問題による意識が再燃しリデュースやリサイクル等が叫ばれるなかで、今こそ当時のコーティング技術の復活を担い、東タイ独自の技術として「フィルム/ヒートシール」「フィルム/バリア/ヒートシール」などを提供できるよう、日々チャレンジを続けてまいります。
※Q-ECやMr-P加工は、かつてはインスタントラーメン、クッキー、キャンディ、ラーメンかやく等の包装材料として幅広く使用されておりましたが、ダイオキシン問題で一時休止しておりました。
リデュース包装材料の東タイとしての対応(開発商品)
東タイの技術を生かした開発テーマです。製品化に向けて現在サンプルワークを行っております。
Mr-P加工
東タイ独自のサランコートの技術を生かし、表原紙に印刷し、その原紙に特殊なポリ塩化ビニリデンコート加工を行い、単体でヒートシール性、水蒸気バリア性、酸素バリア性を有する事が出来る加工です。
Q-EC加工
Mr-P加工に対して、QEC加工は、より高い水蒸気バリア性、酸素バリア性とヒートシール性を有する事が出来る加工です。
モノマテリアル化
当該加工フィルム製品の場合、単体の原紙に印刷、コーティングで包装フィルムが完成しているので、ある種この次に出てくる、「モノマテリアル化」にも該当すると思われます。
現行包材に対してリデュース化でき、且つモノマテリアル化出来れば、環境包材として面白いものになります。
Qコートまとめ
- POINT1
- Qコートは、一般的な印刷原反に対してサラン(ポリ塩化ビニリデン)をコーティングすることにより、
保香性やバリア性を施すことができ、内容物(食品等)の保持機能を向上させます。
- POINT2
- いろいろなフィルムに対してバリア性を施すことが可能です。
現在は、まだ限られた材料にしか加工を行っていませんが、今後は「開発案件」にあるような、さまざまなフィルムにQコート加工をトライしていき、オンリーワンのフィルムを創れるようにチャレンジしていきます。
- POINT3
- Qコート加工に使用しているポリ塩化ビニリデンは、約70%が海から採取した“塩”で作られている、エコロジーなバリア素材です。
- POINT4
- 印刷済み原反にサラン(バリア剤)をコーティングできるという斬新な加工方法のため、お気軽にお試しいただけます。
- POINT5
- Qコート加工の応用で、印刷原反にQコートを施してシール特性の改良を加えた「Q-EC」や「Mr-P」加工もあり、リデュースなどの環境包材としてお役に立てる可能性があります。
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